なんか年明けから与沢翼という方の「秒速で1億円稼ぐ条件」という本の広告が電車内に掲載されたりしてアフィリエイト業界ではちょっとした騒ぎになっているみたいですね〜
「みたい」というのは、僕は今、アフィリエイト収入を糧に海外でブラブラしてまして、日本の状況はよく分からないのです。アフィリエイトで稼いで海外で自由気ままに暮らすという、いかにも情報商材な人が好きそうな状況から、与沢翼の「秒速で1億円稼ぐ条件」について考えてみたいと思います♪
先に書いたとおり、僕は海外にいて実物の書籍は読んでいませんが、多くの方がネット上に公表されているレビューを見る限り、こんな内容のようです。
- 精神論
- アフィリエイト広告主になって情報商材を売れ!
- 集めた購入者名簿あてにメールを送りまくってさらに情報商材を売れ!!
ワラタ。
なにがおかしいかって、情報商材の業界というのは根本的に10年くらい前から何も変わってないんだなと。変わったのは集客の手段とそのテクニックだけみたいです。そのテクニックが、日経新聞やJRの車内広告にまで及んできたことには恐怖を覚えますが・・・
メディアというものの信頼感も地に落ちた感がありますね。
10年くらい前、僕がアフィリエイトを始めたばかりの頃に流行った情報商材の内容はこんな感じでした。
- 人が多いヤフオクに誰でも100万円稼げる方法というのが出品される
- 落札する
- 中身は「これと同じ文書をつくってヤフオクに出品する」だった。
いや〜、最初にこの方法を考えた人は天才かと思いましたよ、マジで(笑)
そして次の天才が、ここで集めた名簿にさらに新しい情報商材を売りつけるということを思いつき、専門のASPなんかができたり・・・
そしてこの方法は数々の追従者を生み、その後情報商材市場は大幅に拡大、今でもアフィリエイト業界の中でそれなりのポジションを築いていたりして、なんだかなぁ、な感じなのですが需要と供給があるので仕方ないのかもしれません。
でも、昔からなんにも変わってない。。。
お金が欲しい人を効率よく集める方法を研究・実行し、その人に出来るだけたくさんの商材を買わせる。
言い方を変えると、見込み客をたくさん集めて、上手に誘導しすることで客単価を最大化する。ということになり、マーケティング的には極基本的なことで、特に新しいことはありません。
マーケティングの技術的には優れていますが、情報商材の多くの問題点は、先のヤフオクの例から変わっておらず「大して中身がないわりに高い」ということです。
アフィリエイトの利用法
Googleで「与沢翼 秒速で1億円稼ぐ条件」と検索すると、たくさんの割と好意的なレビューを見ることが出来ます。で、最後に「無料情報はこちら」とか「セミナーがどうたら」と書いたバナーが貼ってある(笑)
これを見たときに思ったのは与沢翼という人はアフィリエイトの利用方法を熟知しているなということです。アフィリエイトを導入している企業は見習うべきではないかとw つまりこういうことです。
- 自分の情報商材に高額なアフィリエイトを設定
- 本を出版する
- アフィリエイトが報酬目当てにこぞって本に対して好意的な記事を作成
- 検索上位が好意的な記事で埋め尽くされる
- ウマー!
いやー、頭良いですね。
この仕組みを詳細に説明してあげるだけで、アフィリエイトで成果を出せていない広告主には十分な価値があるように思いますが、本書ではその辺りも説明していただけているのでしょうか?
アフィリエイトで5億円はそれほど難しくない?
会社の経営を見るときに「売り上げ高が多いから素晴らしい!」と考えてしまうのは早計です。本来会社は利益の額とそれを得るために投資された額を見て判断されるべきです。
よく情報商材な人たちがアフィリエイトの売り上げ●●●万円!
とかいってたりしますが、PPCやこの本でいわれているメール広告などを利用すれば、月に1000万円くらいの売り上げを上げることはそれほど難しいことではありません。それだけのお金を掛ける度胸さえあればOK。
僕はそもそも広告媒体であるアフィリエイトが広告を出すということに矛盾を感じるのと度胸がないのでPPCはやらないのですが、僕の知り合いでも売り上げで見てそれくらいの方は結構たくさんいます。
が、問題はそこから。
広告を出すには費用が掛かりますが、この費用がアフィリエイト報酬を上回るようでは困ります。つまり利益が出ていない状態です。
アフィリエイトで5億円稼いだといっても、実態として利益がどれくらい残っていたのか?という辺りの情報の方が大事なのですが、ほとんどその手の話を見かけることがないという不思議(笑)
簡単に儲かる方法を教えるという人
僕は本書自体を読んでいないので特に本書についてということではなく儲かる系情報商材全般についてですが、僕が思うに簡単に儲かる方法を教えるという人ほど信用できないものはありません。
なぜか?
もし簡単に教えられることで、本当に利益を生み出せるなら、僕なら中国人のアルバイトを月に5万円ぐらいで雇ってガンガンやります。中国には日本語が堪能で月5万も払えば働く人材が山ほど居るわけで、本のタイトルの通り1億円稼げるなら、年間で考えても9,940万円も利益が出ちゃいます(笑)
中国で事務所を借りて100人くらい雇ったらその他経費込みでも90億は儲かるねw
普通の企業なら皆そうしますよね。
儲かる市場を見つけたら、そこに投資をして自社の市場を築き上げる。他者の参入ウェルカムなんて事は市場の創造期に仕方なくやるものであって、広告費を投じてまでやるものではありません。
何でそうしないのかな〜?
実際に投資してもそう上手くはいかないことを、売ってる本人が分かっているからなんじゃないかな〜?
かつて「オレは十分稼いだから他の人にも伝えたい!」とか格好いいことをいっていた方もいましたが、もしホントにそうなら有料で情報商材を売るのは止めて、全ての情報をタダにしてみてはいかがかなと思います。(ま、それも「本気じゃない人には教えても仕方ない」とかいうんでしょうけどw)
そういった意味では、この手の本や商材を真剣に読んじゃう人、アフィリエイトで紹介しちゃう人、それぞれみんな、彼の戦略の中で踊らされているわけです。それこそが彼が作り上げている「儲かる仕組み」ではないかと。そういう意味では彼はとても頭が良いといえます。
状況を分析し利用し、自分の利益に結びつける最善の方法を常に考えていると。
まぁ、情報商材は嫌いなので感情的にはイヤですし、行為としては全く賛同できませんが。
何が言いたいかというと、儲かっている人を見たら「儲け方を教えて欲しい」と思うのではなく「彼はどうやって儲けているのか?」と考えた方が良いのではないかということです。そういった意味で与沢翼の「秒速で1億円稼ぐ条件」はなぜ発売されたのか?今後どのように利用されるのか?彼はあの電車広告の費用3800万円(自称)をどうやって回収するつもりなのか?など考えるテーマは尽きないですよね〜
先にも書いたとおり、儲かる系の情報商材の多くは大して中身が無く、その中身は極基本的なマーケティングの知識です。それを広告でどれだけ立派に真に迫ってみせられるかが販売者の技術でありそれ自体が「儲かる仕組み」なので、商材や書籍自体を購入する必要はなく、中身よりも販売手法を研究する方が「秒速で1億円」に近づけるのではないかと思う今日この頃です(笑)